損益計算書(P/L)について学ぼう
株式投資初心者向け記事
これから株を始めたい、もしくは最近始めたよって方へ向けた株式投資初心者講座
第七弾は財務三表の一つ「損益計算書」について学んでいきます。
※前回のコラムがまだの方は第六弾「貸借対照表(B/S)について学ぼう」もご覧ください。
損益計算書とは?
損益計算書とは、会社がどれだけお金を稼ぎ(収益)、使い(費用)、残しているか(利益)を確認できるものになります。
またそれらを「会社の本業の経営成績」「会社の通常の経営成績」「最終的な経営成績」の3つの経営成績に分けることができます。
会社の本業の経営成績
会社の本業の経営成績は、損益計算書の上部に記載されている「売上高」「売上原価」「販売費及び一般管理費」、それら収益と費用を引いた利益である「営業総利益」「営業利益」で見ることができます。
売上高・・・会社の本業によって稼いだお金の合計
売上原価・・・売れた商品に対してかかった費用
売上総利益・・・売上高から売上原価を引いて求められる利益のこと。粗利益(粗利)とも言う
販売費及び一般管理費・・・商品を販売するために使ったお金のこと。販管費とも言う
営業利益・・・売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた利益のこと
会社の通常の経営成績
会社の通常の経営成績は、「営業外収益」「営業外費用」で構成されており、本業以外で経常的に発生した収益、費用を引いた利益である「経常利益」で見ることができます。
営業外収益・・・会社の本業以外で稼いだお金の合計
営業外費用・・・会社の本業以外で使ったお金
経常利益・・・営業利益に営業外収益を足して営業外費用を引いて求められる利益のこと
最終的な経営成績
最終的な経営成績は、収益である「特別利益」、費用の「特別損失」、それら収益、費用を引いた利益である「税引前当期利益」「当期利益」で見ることができます。
特別利益・・・会社の本業以外で臨時に稼いだお金
特別損失・・・会社の本業以外で臨時に使ったお金
税引前当期利益・・・経常利益に特別利益を足して特別損失を引いて求められる利益のこと
当期利益・・・税引前当期利益から法人税等を引いて求められる利益のこと
※株主配当の原資になり、残った利益が内部留保になります。
損益計算書のここをチェックしよう
損益計算書のチェックするポイントは大きく2つ。
①利益がマイナスになっていないかどうか
②収益性をチェック
それぞれ見ていきましょう。
①利益がマイナスになっていないかどうか
全体の利益がマイナスになっていないかチェックします。
特に会社の通常の利益である経常利益がマイナスの場合はよく確認しましょう。
経常利益がマイナスの時は、会社が通常の事業を行っているときは赤字です。仮に最終的な当期利益がプラスだとしても、固定資産等の売却で特別利益を生み出していることが考えられるため、売却するものがなくなった場合、当期利益もマイナスに転じる恐れがあります。
②収益性をチェック
会社のどの部分に収益性があるかどうかを3つの売上高利益率「売上総利益率」「売上高営業利益率」「売上高経常利益率」を使って計算することができます。
売上高利益率・・・「売上高」と「売上総利益」で計算し、売上原価にどれだけの利益を上乗せしているかがわかる指標。粗利率とも言います。
数値が高いほど「利益の大きい商品(付加価値のある商品)」を販売していると言えます。
計算式:売上総利益率(%)= 売上総利益 ÷ 売上高 × 100
売上高営業利益率・・・「売上高」「営業利益」で計算し、本業でどれだけ稼げるかがわかる指標。
数値が高いほど「本業で稼ぐ力(収益力)」が強いことを意味します。
計算式:売上高営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100
売上高経常利益率・・・「売上高」「経常利益」で計算し、企業のトータルな活動の収益性が分かる指標。
数値が高いほど「財務も含めたトータルな会社の収益性」が強いことを意味します。
計算式:売上高経常利益率(%)= 経常利益 ÷ 売上高 × 100
まとめ
株式投資初心者講座、第七弾は財務三票「損益計算書(P/L)」について学んでいきました。
損益計算書は、
・会社がどれだけお金を稼ぎ(収益)、使い(費用)、残しているか(利益)を確認できる
・主に利益がマイナスになっていないか、もしくは収益性をチェックしましょう
次回は第八弾、財務三票「キャッシュフロー計算書(C/F)」について学んでいきます。