バリュー投資の極意、苦瓜流投資術を学ぶ

2024.02.23

コラム

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こんにちは、でーでです。

今回はでーでの投資バイブル本でもある「ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること」の著者である苦瓜達郎氏の投資術についてご紹介します。



苦瓜達郎氏をご存じない方のために簡単な略歴を、


大和住銀投信投資顧問のシニア・ファンドマネジャー
・1990年、東京大学経済学部卒業。大和総研を経て、2003年より中小型株ファンドの運用に携わる。格付投資情報センター「R&Iファンド大賞」国内中小型株式部門において、2012~2017年の6年連続で「最優秀ファンド賞」「優秀ファンド賞」を受賞。



中小型株への投資を専門にしているファンドマネジャーになります。


直近のファンド運用実績は、年44.3%のプラスとなっていると同著書でも明かしています。



簡単な紹介をしたところで早速苦瓜流の投資術を見ていきましょう。




【目次】

苦瓜氏の投資術
・PBRよりもPERを重視
・中小型株投資を狙う
・テーマ株には注目しない
・読み込むなら会社四季報がおすすめ
・会社の業績はセグメント別にチェック
・バランスシートはほどほどに
・株で勝つ人、負ける人の特徴



PBRよりもPERを重視


苦瓜氏は企業の割安度を測る重要指標としてPER(株価収益率)をあげています。

これは企業が将来にわたり上げていく利益こそ、投資家にとっての企業の価値と考えているからにほかなりません。


そしてPBR(株価純資産倍率)はあまり重視していないことも語っている。

理由は、「解散価値」というものにリアリティがあるか疑問を呈しており、実際に企業が解散する事態はまれなことであること。

そして本来ビジネスで得た利益は株主に返すべきであるが、多くの企業が内部留保をため込み、適切に純資産が扱われていない。その現状を踏まえ、純資産をもとに株価の割安度を考えることは投資を行う上で有効性が低いと考えているようです。



苦瓜氏の「買っていい」と判断できるPERの目安として以下を上げている。


・今期予想純利益の15倍程度


15倍の前提条件として、「高成長企業ではないが伸びしろがあり、大きなリスクもない安定成長銘柄」の場合に限りとのこと。


またPERの許容範囲として、堅調な成長が見込める場合は10倍台後半、高くても20倍程度までで見ているようだ。



ちなみに一般的によく言われる「同業他社との比較」や「過去のPER水準との比較」は苦瓜氏的にはやらない。目安であるPER15倍の考え方は、業種問わず変わらないのもまた面白いです。



中小型株投資を狙う


苦瓜氏が対象としている銘柄は中小型株になり、時価総額1000億円規模までの銘柄を投資対象としている。

また、中堅企業は全体像が把握しやすく、伸びている事業とその要因は何かといったことも明確なことが多い。一つの事象が株価に与える影響が大きいので、一つのビジネスの成長がストレートに業績に結び付きやすく、株価上昇にもつながりやすいとのこと。



テーマ株には注目しない


苦瓜氏はテーマ株には投資しないようです。

理由は、テーマ株として注目された銘柄は企業価値の過大評価が起こり、実態と乖離して値上がりしやすいからとのこと。

つまり以後発表される業績によっては騰落リスクが高いことを意味しています。


大雑把にくくっただけのテーマではなく、現場レベルで問題を処理し、付加価値を生んでいる企業にこそ注目すべきと語っています。



読み込むなら会社四季報がおすすめ


苦瓜氏がおすすめする投資情報収集法として会社四季報を読み込むことをお勧めしていました。


特に読み方のポイントとして、


企業の「業績予想・材料記事」を時系列で読み比べること


そうすることで、企業の環境や業績などの変化をいち早く察知しすることができるのでお勧めのようです。



会社の業績はセグメント別にチェック


これは自身も必ずやっていることですが、セグメント別に業績をチェックすることで、その会社の主力事業が伸びているのか伸びていないのか、それにより

今後はどうなりそうかを考える手掛かりになります。


ポイントとしては、


・業績の影響が大きいセグメントの変動要因を探る
・そこから今期、来期の予想に落とし込む


落とし込み作業は、そのセグメントの売上が好調なら、それがどこまで続きそうか、また持続可能かどうかを見極めるイメージになります。


バランスシートはほどほどに


苦瓜流のバランスシートの見方として、一度は確認すべきだけど、よほど安全性に強い懸念がないかぎり毎回見る必要はないとのことです。


また、見るべき点として、

・最低限の効率性があるかどうか
・財務のバランスに問題がないかどうか


上記2つをあげています。


事業の効率性を測る指標として「ROIC(投下資本利益率)」10%ほどを基準に最低限のチェックをしているほどで、そもそもバランスシートを気にするくらいの銘柄なら、買わない方がいいという考えのようですね。



株で勝つ人、負ける人の特徴


株をやる上でこれをやったら負けるというパターンで「人の半歩後ろをついていく」人をあげていました。


今話題の株だからとか、まわりがこの銘柄は成長すると言っていたからとか、「後追い」投資するとほぼ確実に負けてしまうのが株式市場です。


話題に上がり、自身の目や耳に入る時には、すでに市場が過熱しきっている状態が幾度とありました。


自分はこのスタイルで運用するという確固とした考え、信念を持ち相場に挑むことが非常に大切です。



まとめ


今回は苦瓜達郎氏の投資術について学んでいきました。

著書では、他にも実際に投資した銘柄の事例紹介などもあり、読み応えのある内容となっています。


基本的に中小型株は流動性が低く、上にも下にも値が大きく動きやすいのが特徴です。

リターンが大きいのが中小型株の魅力でもありますが、その分リスクもあることを十分に考慮し投資を行っていきましょう。




それはままた。